この記事について
この記事では、わたしが2次元・3次元CADの勉強をはじめたきっかけや勉強法についてお話します。
「なんでこの資格を勉強しようと思ったの?」「勉強して良かった?」
「どうやって勉強した?」など、興味があるけどよくわからないとか、やってみようかな?と
思っている方の参考になれば嬉しいです。
それではさっそくいってみましょう!
CADの勉強をはじめたきっかけ
わたし(misorairo)が「CAD」というものに興味を持ったのは2020年の秋頃でした。
毎日会社で同じことをしていて、このままではあんまり成長できないな…という焦りを感じていて、
「なにかやらなくては!」と思っていたのです。
youtubeなどで「オススメ副業!」などの動画を観て、プログラミングや動画編集など、いろいろと考えてみたり
無料のプログラミング教材で勉強してみたのですがいまひとつしっくりこず。
何を隠そう、私は数学が大・大・大の苦手なのです
「これからの世の中では必修!」といわれるプログラミング…。
10進数と2進数の変換あたりで挫折しました。 ※参考書でいうと序盤の序盤
「基本情報」という資格を取ろうとして参考書買ったけど、
挫折しちゃいました
(参考書はとても分かりやすいものだったと思います)
じゃあ何をしよう?と思ったとき、職場の人が使っている「CAD」というものに目を付けました。
しかし、今思うとわたしはどんな人間かというと
- 文系よりの文系
- 大学では法学を勉強していました
- 数学が苦手オブ苦手
- 中でも図形はとっても苦手
という人間でした。
よくCADやろうと思ったね!?
自分にツッコミを 入れたくなってしまいます。
CADを選んだ理由
しかし、勉強する対象としてCADを選んだのは自分なりに色々考えてのことでした。
- プログラミングや動画編集は学んでいる人がたくさんいそうだし、
副業にしたい!となったとき、市場に食い込んでいけるかな? - どうせなら、仕事で使える可能性のある技能を身に着けて担当させてもらえるようになれば
実務経験も積めてとってもイイのでは?! - CADってなんかかっこいい
…最後の一個はさておき、当時の状況も考慮してなかなか悪くない選択だったと思います。
どんなCADを勉強しよう?
「CADを勉強しよう!」と決めたところで考えなくてはならないのは「どんなCADを勉強しよう?」ということです。
まず2次元なのか3次元なのか。そしてソフトです。
これからはやっぱり3次元なのかな?
…という思いは当然あったのですが、会社で使っているのはほとんど2次元。
そして文系オブ文系のわたしは製図法などの基礎知識がゼロ。
そんな状態で3次元を始めるのは無理があるな、と思ってまずは製図の基礎知識を学びつつ
仕事の助けにもなりそうな2次元を勉強しようと決めました。
ソフトは会社で使っている「AutoCAD」にしました。
ライセンスが無料のJWCADもとても魅力的だったのですが、
やはり仕事で使えるものがいいなと思ったのです
お仕事で使えるならJWや他のCADもとても良い選択だと思います
PCの選び方
当時自宅には現役のPCがなかったので、購入するところからはじめました。
わたしは職場でPCのお世話係をしていて、AutoCADのライセンス管理などもしていたためPCの必要スペックは
大体わかっていたのでBTOのPCを購入しました。
それなりの投資なのでドキドキ
わたしのPCのスペックはこんなかんじ。購入する際は是非「CAD PC 必要スペック」などで調べて
使用予定のCADが動くものを選んでくださいね。
わたしは今現在3DCADのFusion360をメインに使っています。AutoCADも問題なく使えました。
元々は2DCAD用に買ったので、3Dも動いてよかった~!!
でもRevitなどを勉強しようと思ったら厳しい気がするので、色々な可能性を考えて悔いのない選択を!
いま買うなら、VRChatもできるようにもう少しハイスペックなものに
するかな…でもデスクトップ置く場所ないんだよな…本当はモニター2枚
欲しい~でも場所がな(略)
2次元CAD・どうやって勉強しようか
話が前後しますが、PCを用意する前に「どうやって勉強しようか」ということを考えました。
職場にはCADを使っている人がたくさんいますが、もちろん教えてもらえるなんてことはなく(*´-`)
「設計とかで使うソフトらしい」「なんか黒い画面で線を引いたりしておるな」ぐらいの知識しかないわたしに
独学は厳しいな、と考えました。第一、ライセンスも用意しないといけないし!
(AutoCADのライセンス料は「はじめて勉強するぞ!」なユーザーにはなかなか決心が必要なお値段…)
まず基礎知識として読図・製図の勉強が必要だなと思い、書籍を購入しました。
この2冊は読図・製図についてやさしく解説してくれていてとてもわかりやすかったです。
2次元CAD利用技術者2級の試験ではそのような知識が問われるので、
知識が全くない(わたしのような)方にはおすすめです。
この本で勉強しつつ、PCの到着を待っていました。
そしてその間並行して「2次元CAD講座の選定」を進めていました。
CADの講座には大きく分けて「教室に通うタイプ」「オンライン講座」があると思います。
それぞれの良い点、悪い点はざっくりこんな感じ
いいところ | 残念なところ | |
教室 | ・PCとライセンスを借りられる ・先生に質問できる | ・料金が高い ・通わなくてはならない |
オンライン | ・好きな時に受講できる ・比較的料金が高い | ・PCを用意しなくてはならない (講座にライセンスが含まれていなければ、それも必要) ・教室に比べてフォローが薄い |
わたしは簡単に通える範囲に教室がなさそうだったので、オンライン講座を選びました。
その講座にはAutoCADのライセンス1年分と、その講座の修了後の検定に合格するとCADオペレーターとしての副業を
斡旋してもらえるという特典がついていました。
結局検定には合格できなかったので副業はできませんでしたが…。
2次元CAD・オンライン講座ってどうだった?
講座は動画を視聴して勉強し、進捗ごとに作図の課題を提出して合否を付けてもらうというものでした。
動画は「製図の知識」と「AutoCADの操作」に分かれていました。
製図法については本で勉強していましたが、動画でも見られてより理解が深まりました。
これは両方やってよかったです。
本で勉強していたから動画の知識もスッと入ってきたし、
解説を聞いたから本で得た知識も深められました
「AutoCADの操作」の方はどうかというと、わたしのような「知識ゼロ」の人には良かったと思います。
参考書を見ても初学者はやはり「何をしていいかわからない」「図面描いてみろといわれましても」になると思います。
それを「まずはこれからやってみましょうね」といってもらえるのはとても大きな支援だと思います。
しかしわたしがとった講座に関して言えば、多少知識がある方にとってはちょっともの足りない内容だったかなと思います。
また、進捗に応じて何回か作図の課題提出があるのですが「合否」は教えてくれますが「解説」はしてくれないので
どこがダメなのか教えてもらえないところ、2回までは無料で提出できますがそこで合格できないと
3回目以降は有料になること、また合格できないと以降の課題提出ができないことがちょっと残念なところでした。
受講していればクリアできるレベルの課題だったので修了は
できましたが、その簡単さもすこし物足りないところであり…。
しかしながら先述のとおり、学習のとっかかりとしてはとても良いと思います。
今はいろいろな講座が出ているので、比較検討して良いと思ったものを選んでください!
2次元CAD利用技術者試験について
せっかく勉強したし、必須ではありませんが資格も取ってみようかなと思い
「2次元CAD利用技術者試験」を受けてみようと考えました。
この試験は「2級」と「1級」があり(厳密にいうと「2次元CAD利用技術者試験基礎」もあります)
1級を受けるには2級に合格しなくてはなりません。
そもそも1級はお仕事でガッツリやっている方じゃないと
厳しい印象なので、初心者にはハードルが高そうです
2級は筆記(といっても、CBTというコンピュータで回答する形式です)試験のみで、作図の試験はありません。
製図やCADシステムへの理解が問われます。
この試験の対策講座もいろんな教室やオンライン講座がありますが、わたしは独学で挑戦しました。
参考書と公式ガイドブックです。まずは参考書で勉強し、公式ガイドブックで演習します。
その年度の試験問題は公式ガイドブックに準拠して出題されるので
可能な限り最新年度版を使って学習するといいですね
図形が苦手なだけあって三面図の見方など戸惑うことも多かったのですが、数をこなしているうちに
段々お作法がわかってきたこともあり、なんとかかんとか一度で合格できました。
2次元CADについては、AutoCADのライセンスが切れてしまったことと
1級はかなりレベルが高いのでここで終了ということにしました
2次元CADのまとめ
わたしは「2次元CADを勉強してよかった」と思いました。
PCを持っていなかったので初期投資は必要でしたが、PCは他のことにも使えるので買ってよかったです。
また「2次元をやるか?3次元をやるか?」と迷って2次元を選択したことについても
製図法についての知識などが勉強できたので良かったと思います。
3次元についてもお話ししますが、そちらの試験には
2次元ほどは製図法の知識は問われない印象です
(なので、2次元でやっておいてよかったなと)
何かスキルを身に着けたいと思っている方、特に仕事で使えそうな方にはおすすめしたいです。
でも、趣味でやって楽しいのは3次元です
(身も蓋もない)
3次元CADをはじめたきっかけ
仕事でも使える!と思って勉強した2次元CAD、その後会社ではしばらく
「ちょっと図面を修正してくれ!」「おぉ、資格取ったのか!じゃあ練習でこの図をCADで描いてごらん!」などと
使う機会があって幸せな時間を過ごしていたのですが、なんと異動してしまって…触る機会が激減しました。
おうちのPCのAutoCADのライセンスも切れたし、
練習できなぁい…。
でもせっかく勉強したし、このまま全くCADをやらなくなってしまうのはもったいない!!と思い、
今度は3DCADをやってみよう!!と思い立ちました。
3DCADはライセンスが無料のものもあると、
なんとなく知っていたのです
しかしやはり3DCADは全くやったことがないので、また講座を探してみることにしました。
そうすると、なんと!割と近くで対面の講座をやってくれるところがあったのです。
しかし、世界的な感染症の流行で近頃は開催されていないようでした。
でもせっかくやりたいと思ったタイミング、思い立ったが吉日ということでメールで問い合わせをしてみました。
そうすると「そろそろ開催しようと思っていたんですよ」というお返事!さっそく申し込みました!
その講座については別記事で解説しています。
まず2次元と違うところ。おもしろい!!
2次元はまさに「お仕事用」という感じですが、3次元は趣味に使っている方もたくさんいて、
有料講座もたくさんありますがyoutubeでもたくさんの動画が上がっています。
まずはそちらで興味が持てそうか確かめてみるのも良いかもしれません。
趣味としての使い方はこのブログの別記事で解説しているので、
本記事では資格試験のお話をしますね
3次元CAD利用技術者試験について
3次元CADにハマって色々できるようになった頃、こちらも試験を受けてみようと思いました。
「3次元CAD利用技術者試験」には「2級」と「準1級」と「1級」があり、準1級と1級を受けるには
2級に合格しなくてはなりません。
2級は2次元と同様筆記(CBTという、コンピュータで回答する形式です)試験のみで、作図の試験はありません。
「3次元CADの概念」「3次元CADの機能と実用的モデリング手法」「3次元CADデータの管理と周辺知識」
「3次元CADデータの活用」という4分野への理解が問われます。
この試験の対策講座もいろんな教室やオンライン講座がありますが、わたしは独学で挑戦しました。
2次元である程度学んだ部分もあるので、理解しやすかったです
わたしが「2次元と違うな」と感じたのは「比較的システム分野についての出題が多い」ことと
「製図法についての出題が少ない」ということでした。
2次元で必死に覚えた(そしてすぐ忘れた)
図枠サイズとか聞かれないの!!??
3DCADには図枠という概念はありませんからね…!
わたしのような素人にはありがたい反面、3次元から始めてしまうと
そういった知識が薄いままになるなぁとも思いました。
お仕事で使うなら2次元の図面から3次元のモデルを作ることも
あるかもしれないので、読図については知っておいた方が
いいかもしれませんね
3次元CAD利用技術者試験 2級について
まず参考書として「3次元CAD利用技術者試験 公式ガイドブック」を購入しました。
2級の試験は実技はないので、本の内容をひたすら覚えます。いや、理解したうえで覚えます。
正直、いま通信の規格とか細かいことを確認されたら答えられる気はしませんけれど…。
とりあえず一回で合格できました。
2級の試験は、2次元よりも3次元の方が易しかったような気がします
3次元CAD利用技術者試験 準1級について
2級に合格できたので、今度は実技のある準1級にも挑戦してみようと思いました。
何から勉強したらいいかな…と思い、先ほど紹介したFusion360講座でお世話になった先生に
アドバイスをもらえないかとお願いしたところ快諾して下さりました。
これは対面講座で繋がることが出来たからこそ…!
先述のオカヤマメイカースペースさんに会いに伺って(会員ではないのに暖かく迎えてくださった皆様にも感謝)
「ショートカットを覚える」「ひたすら問題をこなす」など、実践的なアドバイスを頂きました。
2022年7月中旬の試験に向けて、4月あたりからはほぼ毎日、ひたすら「テルえもんクエスト」や「過去問」の
モデリングをしていました。(過去記事で紹介しています)
2022年4~7月の記事はほぼ試験対策のモデリングをアレンジした
(またはそのまま載せた)ものなので、一部の記事を貼ります。
興味がある方は記事を読んでもらえると嬉しいです
わたしはもともとFusion360でモデリングした作品をツイッターやブログで紹介していたということもありますが、
この勉強過程もツイッターでつぶやいていました。
そこで同じ試験に向けて勉強している方と励ましあったり「ここが難しい!わからない!!」とつぶやいたところに
「こう考えてみたら?」「この機能も知っておくといいよ」「頑張って!」と助言や応援をもらうことがたくさんあって
勉強になったり支えてもらったり、本当に多くの方に助けてもらいました。
準1級については、独学ではなくて
本当にたくさんの方に助けてもらったから頑張れたなぁと思っています
参考にさせてもらったサイトさん
どんな問題が出るか、というのは上記サイトや試験の公式ページに掲載されている過去問や本ブログの
過去記事をを見てみてもらいたいな、と思いますが、わたしが大切だなと思った(そして多くのアドバイスを頂いた)ことは
- ショートカットをしっかりと覚える
- 手戻りがないように作る
- たくさんの形状を作ってみる&何度もやってみる
- 独特の視点というかお作法に慣れる
(実際には出会わないような抽象的な形状が出るので、慣れが必要) - なかなか複雑な機械っぽい形状も出るので、そちらにも慣れておく
(慣れていないと圧倒されて思考停止してしまう…わたしのことです) - 機能をしっかりと使いこなす。常に適切なものを選択できるように慣れておく。
- 体積や表面積、重心の計測値の出し方も確認しておく
モデリングは時間勝負です。1級より問題数が少ないとはいえ、初学者にとって準1級も余裕はありません。
わたしの使用しているソフトは「Fusion360」で、それ以外は経験がありませんがとても多機能なので
この形状を作るのに「押し出し」が良いのか「ロフト」が良いのか、などをできるだけ早く、
ミスなく選択していかなければなりません。
不適切な作り方をしてしまうと、見てもわからないような幾何的なねじれが発生して
計測値が変わってしまったりすることもあります。
形状はちゃんとできているように見えるのに、数値がおかしい!
というのを何度経験したか…。
直前まで、というか本番でも「これは本当に受からないかもしれない…」「難し!もうだめかも!!」
「あ、ちょっとわかったかも…?」「解けたかも!?」「いちおう全部納得できる数字が出たぞ!!」
という感じで、結果が発表されるまでの1か月ちょっとの間、ハラハラでした。
たくさんの方に応援してもらったので、絶対合格したいと
思っていました
本当に良かった…。もう一度受けて合格できる気がしないので、本当に合格出来て良かった…!!
1級はさらに問題数が増えてアセンブリもできなくてはならないこと、
さらに複雑な機械っぽい図面が出ることもあり、完全に力不足…。
いつかは挑戦してみたいです。
3次元CADのまとめ
3次元CADについても、わたしは勉強して良かったです。
2級でシステム面について知識を身につけられたことも良かったし、準1級で時間に迫られたモデリングを経験したことも
たくさんの機能を使うきっかけになってよかったです。
また、図形を認識する能力も鍛えられたと思います。
趣味のモデリングではゆっくり作っても問題ないし、
慣れた機能に頼りがちなので
試験対策をしたことで出来ることの幅が広がったと思います
3次元については、無料のソフトもあるし趣味としても使えるので2次元よりもとっつきやすいと思います。
気になった方はyoutube動画なども見て、興味が持てるかな?と確認してみてほしいです!
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます!
いままでの作品やツイッターも見てもらえると嬉しいです。
おすすめ参考書・講座などのご紹介
本記事では試験用の参考書などを紹介しましたが、普段の勉強用におすすめな参考書をご紹介します!
途中でもご紹介した、Fusion360講座を開催されている「オカヤマメイカースペース」さんです!
大阪には「アベノメイカースペース」があります。お近くの方は是非!
コメント